プロローグの裏話 「ドゥネダインの星」にまつわる2、3の事柄


・「ドゥネダインの星」の来歴
 
プロローグ、いかがでしたでしょうか?まさにプロローグなんで、まだ物語は始まっていませんが、この出だしで、私は束教授もびっくりの大嘘と大捏造をやらかしてます。
 さて、私がやらかした大嘘捏造箇所は、長老が語る「ドゥネダインの星」の来歴です。
「確かな事は伝わっていないが、北方王国の最後の王、アルヴェドゥイに仕えた予言者マルベスが、理由は云わず同じ物を幾つか作らせたのだと云う者もある。その数は、丁度、今のそなた達の頭数と同じ。これは符丁であり、予兆でもある」
 はい、この箇所です。指輪世界に詳しい方なら、にやにやするか唖然とされたことでしょう。マルベスは原作をお読みの方は分かりますね?映画だと、ROTK/SEEの追加シーンで死者の道を通る時、レゴが死者の道について語りますが、あの予言をしたのがマルベスです。さて、そのマルベス、死者の道についての予言はしてますが、ドゥネダインの星についての予言なんかひと言もしちゃいません!束教授、ごめんなさーい!
 なんで、ここでこんな捏造をやらかしたかというと、黒っぽい灰色マントに身を包み、極力目立たない服装をした北方野伏達が、唯一身に付けていた銀のブローチに非常にロマンを感じていたからなんです。
 
 王の帰還【灰色の一行まかり通る】の章で、出立の朝、それまでひっそりと陰の存在に徹してきた北方野伏達が、何故その時に、印象的な星のブローチを身につけていたのか?
 いいですね〜、むくむく想像が広がりました。
 
 北方野伏達にとっては、あの星は、何か深い意味のあるものに違いない。原作では「徽章や紋章の類は何も身に帯びず、ただどのマントにも左肩に放射状の光を放つ星形をかたどった〜」と描写されています。ということは、もしや彼らにとって、この星こそが徽章なのでは?と思ったワケです。だって、放射状の星といったらソロンギル時代の族長が身につけていたモノと同じ意匠としか思えない。うおおお、じゃ、あの星を付けるということは、ソロンギル=アラゴルンの配下である証。ぐおおお、萌えるなぁ、もう一押し、なんかもっともらしい逸話が欲しい。よし!予言があった事にしよう。予言といったらマルベスだ!北方野伏達にとって、これを身に付けるということは、出自を明らかにして、最後の戦いに挑む時って解釈はどうだ。これを付ける時は覚悟の、そして北方王国が滅びて以来の悲願の出陣なのだ。よっしゃ、萌え〜〜〜!
 と、書いた本人は萌えに萌えて書いたんですが、思うようにドラマチックに盛り上げられたかというと、、、想いは溢れども、技術が足らず。どうもお粗末さまでした〜m(_ _;m。

 

●「ドゥネダインの星」は石(宝石)か?それとも金属製か?
 私は随分長い間、「ドゥネダインの星」を、何故か真ん中に石が嵌っているモノのと思い込んでいました。たぶん、ネンヤやヴィルヤやエルフの石にしろ、指輪世界には力のある石の話が多いからそう思ったんですかね。
 なもんで、宝石が嵌っているとしたら、「エレッサール王が北方王国の祭日にだけ身につけた」という代々北方王国の長達の頭を飾ってきたエレンディルミアにゆかりのある石なら萌えだなぁと、妄想を膨らませる気、満々でいたんですよ。 
 ところが、よくよく原作を確認すると、どこにも宝石が嵌っているとは書いていない。「放射状の光を放つ星形をかたどった銀のブローチ」としか描写がなかったのです。ってことは、平たい銀製のブローチか〜?????ある日、やっと気が付きまして、愕然としました。しぶしぶながら(←笑)慌てて、妄想を修正。ちぇーっ、エレンディルミアに絡めたかったのになぁ。あやうく、エレンディルミアとドゥネダインの星について、勘違いの大捏造をやらかすとこでしたぜ。ふー、危ない、危ない。


●ハルバラドの星の行方
 追補の年表に、興味深い一文があります。


1436 (前後の文、略)王、サムワイズ殿にドゥネダインの星を与えられる。


 さあ、出ました「ドゥネダインの星」。指輪の本編の方では「ドゥネダインの星」という表現を見た覚えがないんです。束教授が唯一記している箇所だと思っていますがそれで正しいですかね?>お詳しい方。
 さて、この「ドゥネダインの星」、「終わらざりし物語(UT)」の「あやめ野の凶事」の章の注釈に色々興味深いことが書いてあります。この星をエレンディルミアと解釈して、「王がいかにサムワイズ殿を気に入っていたとしても、そんな大事なモノをホビット庄の庄長ごときにやるはずは無い(注※意略しました)」とほざいた研究者がいるそうな。この記述を知った時、ワタクシ、思わずムッとしましてね。
「何〜!?そんな大事なモノだからこそ、サムにあげたんじゃ!王はそういう人だ!何もわかっとらんな、このボケ〜!」と少々凶暴な気分になりましたのさ。
 でもUTの注釈にはまだ続きがありまして、「ドゥネダインの星」はエレンディルミアではなく、星の鷲や、野伏達が身につけていた星ではないのか?という解釈が後に出たようです。

…ということは、さあて、ハルアラ好きーの血が騒ぎます。王様がサムにあげたドゥネダインの星とは、ペレンノールで散ったハルバラドの星ではないのか?
 何故なら、勇者サムワイズ・ギャムジー殿は、従者の鏡。同じ従者の鏡のハルバラドの形見だから、サムにあげたのでは?そうであって欲しい。いや、そうに違いない。
「サムに与えた星=ハルバラドが身につけていた星説」熱烈希望〜〜〜!
いやぁ、萌えますなぁ、UTのこの箇所は。
 しかも、同様に思っている方はどうやら私だけではないらしく(>ね、Cさんv)ハルアラ好きーの共通願望かもと。でも、この説のファンフィクって見たことが無い。この「星を仰ぎて」でも、ここまでは書いていません。

 さぁて、どうです?誰か書きませんか? (しみじみ、ほろにが甘〜なカンジで是非〜vvv。え?私?ほろにがはともかく、甘〜が書けない人なんで、誰か他の人が書いたのを読みたいっす)

 

こんなカンジでSSをアップする毎に裏話を付けていきます。楽しんでいただけましたか?

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