「アキレウスさま、お待ちしておりました」
 真っ青な瞳が印象的な、年嵩の男が云った。
「エウドロス、後を付けられてはいないな」
「はい、ご主人さま。ミュルミドン人を各所に配置しておりますが、今の所、誰も付けてきてはおりませぬ」
 エウドロスと呼ばれた男は、アキレウスの後ろに跨るアラゴルンに目を移した。アラゴルンは自分を覆っていたベールを外すと、この日初めて口を開いた。
「エウドロスとやら、世話になる」
 現れたアラゴルンの姿に、エウドロスが息を飲んだ。
「では、あなた様が…」
「見るな、エウドロス。心を奪われるぞ」  


Dottoharaiのやたべ様より、とろい「束の間 その2」へ、素晴らし挿絵を頂きました。
これは、確かに心を奪われてしまいますね。つか、アキの背って、あなた(笑)

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